トラディショナル

梅柄の数寄屋袋

厳寒に香り高く咲く、梅

コロンとした梅の意匠がかわいい数寄屋袋を作りました。
着物(小紋)からのリメイクです。
結構大胆な色柄。こんな総柄のお着物を、いったいどんな素敵な方が着こなしていらしたのだろうと、思いを馳せます。

梅は厳寒の中で香り高く咲き誇るので、その忍耐力や生命力から子孫繁栄の象徴とされ、吉祥文様です。

梅柄は四君子(梅、竹、菊、蘭)の1つでもあり、松竹梅の1つでもあって、いずれにしても縁起が良い文様。

表地がこんなに華やかなので、裏はどうしようかと迷いました。小紋時代は朱色の八掛がついていたので、朱色や黒のサテン地で派手めな印象にしようかとも。。
でも茶室で使う数寄屋袋、ということを第一に思うとやや控えめに仕上げたく、結局はベージュのシャンタン生地で織りのあるものをあわせました。皆さまの印象はいかがでしょうか。

追記:コットン生地のかわいめの梅

その後、コットンの和柄生地から数寄屋袋(初春ブルー)を作りました。
白梅の中に、松や七宝などが描かれていて縁起が良いです。

そして数寄屋袋(初春ピンク)も。
ピンク地に大きな紅白の梅がかわいいです。

「天神さん」と言われ各地の天満宮に祀られている学問の神様、藤原道真公は、梅をこよなく愛したことで知られていますね。順風満帆な人生だったのに、政略によって太宰府へ左遷されてしまう。そんな時も和歌を詠んでいます。
「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主人なしとて 春な忘れそ」
都の梅の花よ、春になったら、太宰府の私のところまでその香りを運んでおくれよ、私はもう都には居ないけれど、春が来たら、ね、みたいなお歌。
道真公に愛されていた都の梅は、一晩で太宰府まで飛んで来た、という飛梅伝説もあります。
更に、同様に桜は悲しくて枯れてしまい、松は神戸あたりで力尽きてしまったそうです。本当に日々、愛でられ大切にされていたなら、ご主人を慕ってのこんなお話も、あるのかもしれないなって、私は思ってしまいます。

京都の北野天満宮では、新春限定で、西陣織のレースご朱印帳があったり、梅の期間限定で、上記和歌の書かれた御朱印をいただけたりします。限定品のカワイイを、入手したいものですね。

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